2020年7月にある民間団体が突然廃業しました。それが、養子縁組のあっせん事業を行う「ベビーライフ」です。
後に「ベビーライフ事件」ともいわれたこの事件、一体なにがあったのでしょうか?
相関図にして簡単に分かりやすく解説します☝
ベビーライフについて
ベビーライフとは、実親が何らかの事情で育てられない赤ちゃんを養親に引き渡す、赤ちゃんのあっせん事業を行う民間団体です。
2008年に開業し、約300人の赤ちゃんを養親の元へとつなぐ養子縁組のサポートを行ってきました。

その代表を務めていたのが篠塚 康智氏です。
過去に都の立ち入り調査を受けていた
過去にベビーライフは、2009~11年度に養親側から寄付金として計4600万円を受け取っていたとして、都から立ち入り調査が入っていました。
高額な費用や寄付金は児童福祉法が禁じる営利目的の活動にあたる恐れがあるとして、厚生労働省が自治体に実態調査するよう指示していた中で発覚したのです。

これに対して、代表理事の篠塚康智氏は「人件費や事務所費などの実費を寄付金として記載してしまった。単なるミスだ」と話したとのこと。
【相関図】ベビーライフ事件なにがあった?
それでは、ベビーライフ事件とは一体何があったのか?詳しく解説していきます。
ベビーライフ事件とは?
特別養子縁組をあっせんする民間団体「ベビーライフ」(東京都)が、2020年7月に突然事業を停止し、養子の実親の情報等、機密の個人情報を東京都に引き継ぎもせず、代表者が音信不通で行方をくらませている、というもの。
2008~12年にあっせんされた約300人の子供のうち、半数超えの養親がアメリカなどの外国籍だったことも問題視された。
ベビーライフ事件における問題点
- 「あっせん先は原則国内」との厚生労働省の指導があったにもかかわらず、半数以上が海外へのあっせんであったこと
- 突然の廃業により、あっせんした子供たちの出自にまつわる重要な書類が消失したこと
- 「ベビーライフ」の代表者の篠塚氏が音信不通であること
- 養親からの多額の寄付金が発覚し、「まるで人身売買だ」と批判の声が相次いだ
先述にもあるように、ベビーライフは養親から計4600万円の寄付金を受取っています。
09~11年度に寄付金がゼロだった団体(都内)が5つあった中で、あっせんで受け取った実費や寄付金の金額が、ほかの団体と比べて明らかに大きいことが分かっています。

また、ベビーライフが保管していた、実親の情報(養子に出した理由・子供を産んだときの気持ちなど)が記載されたデータが、突然の廃業とともに消滅してしまったことで、子供が将来、自分の出自(ルーツ)を知りたくなった時に、知る権利が奪われてしまったのです。
これに対し、養親たちは「許せない」「本当にショックで子どもにもどう話したらいいか分からない」という批判の声が相次ぎました。
なぜベビーライフの篠塚氏は失踪した?
結論からいうと、失踪した訳ではなく、病気のため長期間療養していたとのことでした。
2020年7月に「ベビーライフ」が廃業し、翌月に東京都に出自にまつわる重要書類などの情報を引き継いだあと、篠塚氏と急に連絡が取れなくなりました。
その後も、ベビーライフの代表理事である篠塚康智氏とは連絡が取れなくなっており、失踪したのでは?と噂されるように…
後に、都に提出された出自にまつわる重要書類も一部しかなく、ほとんどのデータが消滅してしまっていたことが判明したのです。
篠塚氏の現在の状況は?
現在の篠塚氏の状況はというと、ベビーライフのHPは閉鎖されていますが、トップページに長文でこれまでの経緯について書かれています。
- 過労などによる病気の悪化
- 新型コロナウィルスに感染→手術
- 長期入院とリハビリ治療
により、回復(都に情報を引き渡せる)までに時間を要したとの事。
ベビーライフが廃業に至った経緯とは?
廃業に至った経緯については、
- 経費削減のため、コロナ禍前から「ベビーライフ」の事務所移転計画があった
- 東京都に養子縁組あっせん事業許可の申請を出していたが、なかなか許可が下りなかった
- 事業を行うための事務所(物件)が期間内に見つけられず、やむを得ず許可を取り下げた(廃業)
- 当初から機密情報を取り扱うため、第三者がサーバーから持ち出せないようにしていた
- 篠塚氏が病気になったタイミングでクラウドの契約が終了し、データがサーバー上から消去されてしまった
との事でした。

あくまで、廃業したのはコロナ禍で業績が悪化したため致し方なかったという内容ですね…
まとめ
今回は、ベビーライフ事件について、相関図を用いて簡単に解説しました!
ベビーライフ事件とは
2020年7月に突然廃業し、必要なデータを都に引き継がないまま代表者が行方をくらました、というもの。
ベビーライフ事件の問題点
- 「あっせん先は原則国内」とされている中、ベビーライフが行った174 / 300件が海外へのあっせんだった
- あっせんした子供たちの出自にまつわる重要な書類を消失してしまった(ルーツを辿れなくなった)
- 養親から多額の寄付金を受取っていて、「まるで人身売買だ」と批判の声が相次いだ
音信不通だった代表の篠塚康智氏は、失踪したわけでなく、病気の療養中だったとHP上で釈明。
あくまで、廃業はコロナ禍で業績が落ち込み、都からも事業許可の申請が下りず、やむを得ない判断だったとのこと。
以上が、ベビーライフ事件の内容です。
最後までご覧いただきありがとうございました。